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半纏をお酢で洗う?それってアリ・ナシ?

皆さん、藍染めの半纏(はんてん)・法被(はっぴ)が色落ちするからと言って、色止めのために半纏(はんてん)・法被(はっぴ)をお酢で洗ったりしていませんか?

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ネット上では、藍染めの半纏(はんてん)・法被(はっぴ)の色落ちの原因がアルカリ性で洗うことにあるので、藍染めの半纏(はんてん)・法被(はっぴ)は酸性のお酢を入れて洗濯機で洗うと良いなどの情報がありますが、実はお酢で洗うのには効果がなく、逆に生地を傷める危険性があります。

 

藍の性質と色の定着

藍染めの「藍」は水に溶けにくい色素です。

そのため、藍染めでは「藍」を一旦アルカリ性の水溶液に溶かします。(水溶性にする事で藍の色素は醤油色に変化します。)

溶けた藍の色素を生地の繊維に染み込ませ、それを空気に触れさせ酸化させることで藍の色素が青く戻ります。

この工程を何度も経て、繊維がより深い藍色に染まります。

藍染めの半纏(はんてん)・法被(はっぴ)が色落ちするのは、生地の表面で酸化し生地に強く定着出来なかった色素が、摩擦等で剥がれ落ちるためです。

藍染め 藍がめ

藍色を発色良く、より生地に定着させる為に

一般的な染屋では、藍染めを行ったあと、藍染めした半纏に酸通し(薄めた酸液に浸けること)を行います。これにより、アルカリ性のまま残っている「藍」を酸化させ中性にし、繊維に藍を定着させます。

また、染屋では、藍染めの下処理として豆乳(呉汁『ごじる』と呼ばれる)を生地に塗ります。藍はタンパク質系の繊維(絹 など)には吸着しますが,綿などの植物系の繊維への吸着力が弱いためです。タンパク質系の豆乳を繊維に塗ることで、植物系の繊維の綿に「藍」を定着させるのです。

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なぜ「酢」で半纏を洗ってはいけないのか?

前段が長くなってしまいましたが、染屋から買った藍染めの半纏は基本的に「酸通し」を行っており、藍は中性に戻っているため、酸性の「酢」で洗う必要はありません。「酢」で洗うと半纏(はんてん)の繊維を傷めてしまうだけです。

「酢」で半纏(はんてん)・法被(はっぴ)を洗うと色落ちしなくなると言われるのは、酢を落とすために何回か洗っているために藍が落ちて、色落ちしなくなるように感じるだけのようです。

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藍染めの半纏を酢で洗うことに効果があるとしたら・・・

藍染めの半纏を酢で洗うことに効果があるとすれば、先ほどの「酸通し」を行ってない半纏の場合です。酸通しを行っていない半纏は、染液をアルカリ性にする為に用いる灰汁(あく)が生地に残ってしまい、生地が白っぽくなることがあります。このような酸通しを行なっていない藍染めの半纏には、灰汁防止のため酢で洗うことに効果があるかもしれません。

 

本染めの半纏は絶対に酢で洗ってはいけない

本染めの(反応染料で染めた)半纏は絶対に酢で洗ってはいけません。情報がゴチャゴチャになり、本染め半纏も酢で洗う方がいらっしゃいますが絶対にやめて下さい。本染めの半纏は、絶妙なバランスの化学反応で色素を繊維に吸着させているので、酢で洗っても、色止めの効果がありません。それどころかpHバランスが崩れて色流れの原因にもなってしまうので、絶対に本染めの半纏(はんてん)を酢で洗うのはやめてください。

 

半纏をお酢で洗うのはナシ

結局、色止めのために藍染めの半纏(はんてん)・法被(はっぴ)を酢で洗うのはナシです×

色落ちが気になる場合には、着用前に手洗いの押し洗いで3回〜5回程洗い陰干しで干して下さい。

それでもどうしても藍染め半纏の色落ちが気になる方には、樹脂コーティングの色止めを行うこともできます。

しかし、藍染め半纏はやはり色落ちにこそ魅力があると思っています。

永く着て行く過程で自分色へと表情を変えていく藍の経年変化を、じっくりと楽しみ続けて頂きたいです。

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この記事を書いたのは

京屋染物店

岩手県南の城下町、一関で100年続く染物屋です。
「半纏・法被(はんてん・はっぴ)」「浴衣」などのお祭り用品や、「手ぬぐい」などの日用品をオーダーメイドで製作しております。
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