オーガニックコットン生地と通常の生地の違い2021.02.22
京屋染物店では、環境にも人にも優しい製品づくりが、良いモノづくりの本質だと考え、オーガニックコットン生地を製品に使うように努力しております。
その中で、よく聞かれるのがオーガニックコットン生地と通常の生地の違いです。
なかなか見た目だけではわかりにくいのですが、オーガニックコットンと通常の生地では違いがしっかりとあります。
具体的には次の3つの点が大きく異なります。
①綿(コットン)生地の生産過程
②生地の肌触り
③赤ちゃんのような肌の弱い方への安全性
以下で詳細を説明していきます。
①綿(コットン)生地の生産過程
コットン栽培には手間隙がかかります。
害虫の被害も多いため、通常、農家さんは、種をまく前に化学肥料、防カビ剤、殺菌剤を散布して、雑草が生えてくるとすぐに除草剤を・・・というように、大量の薬剤・化学肥料を使っています。
そのため、畑や畑の周辺環境が悪い状態で、コットン生産を続けており、土壌はもちろん、農家の方にも農薬被害を引き起こしています。
オーガニックコットンは、そういった農薬や化学肥料を使わない形で生産しています。
その分、手間隙がかかるので、価格にも反映されますが、その生産過程で健康被害や土壌汚染はありません。
②生地の肌触り
オーガニックコットンと通常の生地では触った感じも違います。
実際に触って比べてみると、ふんわり柔らかく、
「え、結構違うんだ」と印象を受けると思います。
調べてみると、品質に違いはないという記事も見られますが、確かに違います。なぜだろうと調べてみると、①の生地の生産過程で説明した農薬・化学肥料が影響しているようです。
通常のコットンは、土壌汚染がひどい環境で栽培し、収穫も枯葉剤を使用し、葉や茎を枯らして、一部未熟な状態でコットンを収穫します。
オーガニックコットンは、通常の綿花(コットン)の生育で収穫するので、品質も良いものになります。
その原料の違いが一つ。
もう一つは、コットンを糸や生地にする過程で、化学処理を行うかどうかの違いです。
通常のコットンは、糸から生地にする過程で、様々な化学処理を行うのですが、オーガニックコットンでは、そういった処理は極力行いません。
その2つの違いが、最終的に品質(肌触り)に大きな違いをもたらすのです。
③赤ちゃんのような肌の弱い方への安全性
オーガニックコットンは農薬や化学処理を極力減らして作られているので、アレルギーや肌が弱い方にもオススメです。
特に、化学物質過敏症の方は、通常のコットンの繊維に残る微量な化学物質に反応してしまい、つらい症状が出てしまうことが多いようです。
京屋染物店では、繊維業界の安全性の世界基準「エコテックスプロセス認証クラスⅠ」を取得しています。
そのため、オーガニックコットンを染める過程でも、より安全な工場で、安心できる染料を使うことで、赤ちゃんが舐めても安心な製品を作っています。
オーガニックコットンだからと言って、必ずしもアレルギー反応を起こさないとは言い切れませんが、かなりの安全・安心への配慮をモノづくりの素材と過程で考えております。
オーガニックコットンと向き合うこと
オーガニックコットンと通常のコットンの一番の違いは、「誰かの犠牲の下に、その服や布製品を使うのか」が問われる部分かもしれません。
もちろん価格の違いはありますが、
自分のポリシーや会社のポリシーに照らして、
生地の選択をしていく必要があると思います。
弊社もその責任と向き合い、ものづくりを行って参ります。
オーガニックコットン手ぬぐいの製作はこちらから
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