京屋のあゆみ
History
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京屋染物店の発祥
初代 蜂谷 松寿が少年(当時14才)の頃、一関にある大きな寺院の門前に座り、寺院の絵を描いていた時、住職に絵の才能と手先の器用さを見初められ、「この才能を生かさなければもったいない。染物を勉強して着物を作りなさい。」と言われたことが全ての始まりでした。
住職の声がけのもと、たくさんの方からの寄付によって京都までの片道切符を手にした松寿は、染物修行のため京都へ旅立ちます。
しかし、あてもないまま単身京都に降り立った松寿。どうするべきかと途方に暮れていたところ、偶然声をもらった染料屋の社長に、修行先の染物店を紹介してもらうことができ、染物修行の日々が始まります。
約6年に及ぶ修行後、一関へ帰郷した松寿は、「京屋染物店」を創業。
当時とても華やかな街だった城下町一関で、料亭の女将や芸者が着る着物の染め〜縫製を行い、とても繁盛していたと言い伝えられています。
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小さな縁(コミュニティ)を大切に
前述の松寿の代から我々が大切にしていることは、「小さな縁(コミュニティ)を大切に」という言葉です。4代目の蜂谷悠介(現代表)も、「たった一人のお客様の声にも応えられる染物屋になりなさい」と先代からいつも聞かされておりました。
当店では「この染物技法しか出来ません。」「ここまでしか出来ません。」とお断りすることがありません。それが創業時からのルール・ポリシーのようなものになっています。
お客様から頂く「こういうものがほしい」という気持ちに寄り添い、お客様のご要望に応えたい、喜ぶ笑顔が見たいという強い想いで試行錯誤を重ね、必ず形にしています。
もちろん最初は出来ないことも多く、苦労もすることもありますが、お客様1人ひとりのご要望に応えようと懸命にやってきた結果、沢山の染色技法・染料・生地を扱える全国的に見ても珍しい、染物屋になることができました。
こだわりを持つお客様お一人お一人に支えられ、今日の京屋染物店につながっております。
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一関から世界一の染物屋を目指して
当店は「世界一の染物屋」を目指しており、新しいことにどんどん挑戦していく染物屋です。
まだまだ、納得のいく「染物」に辿り着いた訳ではありませんが、お客様に喜んで頂ける様、職人一同が高い向上心の元、毎日切磋琢磨し合っています。
また、新しいことに挑戦すると同時に、創業時から受け継いできた「伝統」を後世に伝えていくことも我々の使命だと思っております。
しかし我々は、「昔からこうやってきたからこうあるべきだ、こういうものだ」と言われるものをそのまま継承し、後世に寸分違わず伝えることを「伝統」とは考えておりません。
むしろ、これまでの伝統を受け継いだ私達がまた新しい技術に挑戦し、新たな「伝統」を作り上げていく、それこそがこれまでの「伝統」を受け継ぎ後世へつなぐ真の役割だと考えています。
京屋染物店はこれからも、常に新しい「伝統」を作り上げていくために挑戦し続け、世界一の染物屋を目指します。
1912年〜1917年 (明治45年〜大正6年) |
初代 蜂谷松寿(当時15歳)が京都で染物(友禅染など)の修行をする |
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1918年(大正7年) | 京屋染物店を創業(蜂谷松寿 21歳) |
1964年(昭和39年) | 厚生大臣表彰を受ける(蜂谷松寿 67歳) |
1965年(昭和40年) | 工場拡張 |
1972年(昭和47年) | 2代目就任 蜂谷文彦(当時52歳) |
1982年(昭和57年) | 新工場設立(捺染台、ボイラー、反応箱、ミシンなど新設) |
1991年(平成3年) | 3代目就任 蜂谷徹(当時40歳) |
2000年(平成12年) | ホームページ開設し、インターネットを活用したオーダーメイド受注開始 デザイン提案強化のためPC導入(Macintoshなど) |
2002年(平成14年) | 型製作、リピート対応強化のためプロッター導入 |
2010年(平成22年) | 4代目就任 蜂谷悠介(当時32歳) |
2011年(平成23年) | 東日本大震災で被災 震災復興支援(被災芸能・祭団体の衣装、道具の復元と製作支援)開始 |
2012年(平成24年) | 工場改修、拡張(反応箱、捺染台などを増設) |
2013年(平成25年) | 株式会社京屋染物店へ法人化 |
2014年(平成26年) | 縫製工場設立(ミシン各種、アイロン台、裁断台など新設) いわて特産品コンクール「岩手県知事賞」受賞 |
2015年(平成27年) | 経営革新認定企業として承認される 観光庁「世界に通用する究極のお土産」入賞 経済産業省「The Wonder 500」受賞(世界に誇れる日本の逸品500選に認定) |
2016年(平成28年) | 新設備導入(大型ワッシャー、大型蒸し機、ボイラー増設、脱水機など) |
2017年(平成29年) | kintone AWARD 2017 グランプリ受賞 (サイボウズのビジネスアプリを活用し「日本で最もインパクトのある業務改善を実現した企業」 として表彰) |