楽しい企みが生まれる秘訣とは
2017年5月1日
祭りが盛り上がるのには訳がある。数日の祭りのために1年以上準備をする。地域によっては4年以上。祭りをしていない時期が、祭りの盛り上がりを決めているのかも。
半纏(法被)、浴衣、手拭、鯉口シャツ、股引などの祭衣装、和服のオーダーメイド、伝統芸能の衣装オリジナル製作、修理を通じ、日本の祭りを支える染物屋でありたい…
京屋染物店の蜂谷悠介です。
桜の花は散り、青々とした若葉が芽吹いています。東北もいよいよ、爽やかな新緑の季節を迎えます。
5月は神田祭、浅草三社祭など、大祭が目白押しですね。
東京でお世話になっている神輿会の方にお取り計らい頂き、私も神田祭と浅草三社祭で神輿を担ぎます。
今から楽しみです!
さて、前回のブログ「祭りが盛り上がると地域も良くなる?」で、地域が元気になる3つの要素を紹介させて頂きました。
この3つの要素を上手く繋ぎ合わせて、楽しくワクワクする流れを作りたいと思っているけど、どうしたらいいか分からない。
そんなに簡単にできたら苦労はしないですよね。
でも、上手く行っている地域は、それをいとも簡単にやってしまっているのです。
今日は、そのあたりのことを解決出来そうな取り組みをご紹介します。
面白く企むために
祭りが行われる上で、絶対欠くことのできない存在を一つあげるとしたら何か。
それは「想いを持った人」です。
この考えは地域づくりと一緒だと私は思っています。特に、若者はワクワクの固まりです。
未来を想いワクワクする気持ちを、活かすも殺すも地域を支える私たちの力量なのではないかと感じています。
若者たちの想いに対して「面白そうだね♪ やってみよう!」と言えるかどうか。そして、前進出来るアドバイスができるかどうか。
さらに一番大事なことは、みんながいつでも集まれるアジト(秘密基地のような面白い企みが生まれそうな場所)があるかどうか。
公民館、集会所、寄合所などを、使い方や時間の制約がなく気軽に使える地域であれば良いのですが、そういう場所が無い地域もありますよね。
そういう公共の場所がなくても、地域のリーダーの家が公民館のような機能を果たし、「〇〇さんの家に行けば、必ずワクワクするメンバーが集まっている」という場所になっていたりする。そして、そういう場所は、とても居心地が良い場所なのです。
皆さんも心当たりはありませんか?友達や家主が居なくても、リビングや居間まで勝手に上がり込んでくつろげる家。そしていつの間にか仲間が集まって来る場所。
そういう場所がある地域は、すごく良い祭りができるのだと思います。
でも、そういう場所がない地域もありますし、世代によって、居心地のいい空間がない場合もあります。
ではどうしたらいいか。
無いのであれば、作ってしまいましょう!
企む場所が必要だ
祭りをするには、準備が必要です。語り合う場所が必要です。
20代の若者たちから「一関のために何かをしたい!と思っているけど、この想いやアイディアをどうしていったらいいのでしょうか?」という相談を受けました。
私はすぐに「時間や使い方などの制約が無い、みんなで集まれる場所を作ろう!」と提案しました。
若い力はすごい!自由に動ける環境さえあれば、どんどん進んで行きます。
場所を提供したら、話し合うためのテーブルがほしい!ということになったようで、友達の大工さんを先生に迎えて、テーブル作りのワークショップを開催。
みんな休日に集まり、真剣にテーブルを作っています。
楽しいことなら、自然と体が動きますよね。
みんなで力を合わせて、面白く企むためのテーブルが完成!
テーブルが出来上がると、次はイスが欲しい!ということになり、「イスもみんなで作っちゃえ♪」と誰かが言い始める。
そして、別の日に、イス作りワークショップが開催される。
イス作りの合間に、完成したテーブルでパーティー♪
すごくいい光景です。見ているこっちがうれしくなります。
みんな楽しそうにイスを作っています。
楽しそうにイスを作っていたかと思えば、今度は真面目に会議。
皆さんは、どう感じるでしょうか。何だか、祭りの準備風景に似ていませんか?
この光景を見て、「好き放題、無計画に独り善がりなことをただやっているだけの若者達」に見えるでしょうか?
私は「今を楽しみ、和を作り、未来への可能性にチャレンジしている地元が大好きな若者達」だと感じています。
どんどん良いことが起こりそうな雰囲気ですよね。
イキイキとそして力強く活動している彼らの様子を見て、私も勉強になっています。
「地域の原動力になり、未来を切り開く若者たち」と「地域を支え、基盤を作っている先輩たち」が「時間や使い方などの制約が無い場所」で「感謝、祈り、高い志を有した楽しさの共有」できる語り合いや活動ができたら、地域はもっと良くなると思います。
でも、実は祭りが盛り上がっている地域はこのことができているんですよね。祭りの準備をするために一年通して気軽に集まれる場所があって、老若男女が、様々な作業を通じて交流し、語り合っています。
一関を面白く企む会の今後の活動に期待しています。