「働き方改革」のスタートライン

2018年5月25日

私たちには「お客様のお役に立てる」自信があります。
染め、縫製の職人たち、フロントスタッフ、デザイナー。私たち京屋染物店はお客様の想いを形にするため、誠実に想いを汲み取り、丹精込めてモノづくりに向き合います。

お客様の想いを形にします

半纏(法被)、浴衣、手拭、鯉口シャツ、股引などの祭衣装、和服のオーダーメイド、伝統芸能の衣装オリジナル製作、修理を通じ、日本の祭りを支える染物屋でありたい…
京屋染物店の蜂谷悠介です。

働き方改革って何だろう?
「今までの働き方を改革する!」と捉えるとすごく違和感があるのは、私だけだろうか。
むしろ、「今までの在り方や前提を改革する!」と捉えた方が、しっくり来る。

 

環境に目を向ければ卑屈になる。我が先立つと最悪を招く。

3年前(2015年)のある日、会社のメンバーから突然こんなことを言われました。

「社長にはもう ついていけません」

当時は会社の仲間全員が疲弊していました。

・同業者は次々に廃業し、業界全体を見ると衰退産業と言わざるを得ない状況。
・地元の人口は減少し、消滅可能性都市に指定されてしまった。
・会社の業務は、社長が独断で受注してきた仕事が山積みで、残業が続く。
・必死になって働いているのに、決算したら赤字。
・働いても働いても先の見えない焦りだけが募る。

当時は、「この状況を何とかしなければならない!」「みんなの未来を切り開くためにも今頑張らなければならないんだ!」と必死になっていました。
今頑張らなければ、皆を良くすることもできないと信じていましたので、 今は苦しいかもしれないけれども、社員も全員そのことを理解して未来のために同じ志で頑張っていると思い込んでいました。

今は辛いかもしれない。
けれども、これは未来のためにも必要な苦しみだ!その状況は理解してくれ!理解してくれて当然だ!とまで思っていました。
そんな時に言われたのが、「社長にはもうついていけません」という言葉でした。

とにかく、孤独でした。こんなに頑張っているのに理解されていなかった。みんな勝手すぎる。
「俺だって頑張ってるんだよ!お前たちだけが頑張ってると思うなよ!」などという自分勝手な発言を当時はしていました。今振り返ると本当に恥ずかしいです。

 

みんなのゴールに目を向ける。

その後、私の考えやみんなの考えをとことん話し合いました。
そして、みんな同じように「いい会社にしたい!いい人生にしたい」だからこそ、本当はみんなと協力して頑張っていきたい。
でも、会社のゴールが見えないし、自分たちの幸せが会社の未来とともに叶っていくのかも見えないことへの不安が募っているだけだということがわかったんです。

冷静に会社の状況を俯瞰してみたときに、仲間が疲弊する理由がわかりました。

・どんな会社を目指したいのか。どこに向かっていくのかを皆で考えて作っていなかったし、全員が腑に落ちていないままに、私一人で突っ走っていたこと。
・みんなが頑張った結果、会社が今どういう状況になっているのか、誰もわからない状況だったし、結果や経過を知らせることもしていなかったこと。
・一人一人がどういうことを望んで働いているかを聞きもせず、そして一人一人の「こうしたい!」という思いを支援せず、自分自身の考えこそ正しい!と思い込み、それを押し付けていたこと。

みんなのゴールを見える化することで、本当の意味でのスタートを切れると思い、全員で個人のゴール、会社のゴールを導き出しました。そして、その内容を10年年表に刻みました。

京屋染物店の年表

みんなが何を大切に思い日々行動しているのか。何を目指し、そこに向かう自分たちのパワーの源は何なのか。
そのことを共有し、日々感じることで、ブレない土台が出来上がっていくのだと思います。

自分たちの行動の優先順位が明確になり、そこに向けてみんなで協力し合う体制ができました。
そして、何よりも迷いや疑念がなくなったように思います。
誰かと比べたり、自分が置かれている環境を気にするのではなく、自分が何を大切にして、何を達成したいのかが明確になり、自分たちのゴールを見て行動できるようになったからだと思います。
そして、仲間が大切にしていることや、全員のゴールを皆で決めたことで、以前にもまして助け合いが活発になりました。

 

従業員ではなく、メンバー(仲間)だと私は思う。

京屋染物店の半纏

経営者が一人で頭を抱えて悩む時代は終わったのだと思います。
常に変化し続けている激動の時代だからこそ、 会社で働いている仲間一人一人が自ら考え、協力して幸せを掴み取ることが必要なのだと思います。

仲間の力を信じる。みんなの本当に望んでいること。人生で達成したい目標を共有する。
何のために働いているのか。会社は何を目指すのかを皆で考え、共有することが、 皆の力を引き出すためのスタートラインだと思います。
自分だけで未来を切り開こうとせず、仲間の夢や目標を支援する、応援する気持ちで、 一緒に会社の未来を切り開いていく姿勢が働き方改革の土台なのかもしれませんね。

縁日(エンニチ)ネットショップ LOCAL WEAR IWATE