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岩谷堂箪笥と京屋染物店の新たなモノづくりが始まる

2017年2月18日

想いを繋げるモノづくり。

半纏(法被)、浴衣、手拭、鯉口シャツ、股引などの祭衣装、和服のオーダーメイド、
伝統芸能の衣装オリジナル製作、修理を通じ、日本の祭りを支える染物屋でありたい…
京屋染物店の蜂谷悠介です。

岩手県の伝統工芸品は?」と聞かれて、真っ先に思い浮かぶものは何でしょうか?
秀衡塗、南部鉄器などなど。岩手の伝統工芸は他にも沢山ありますよね。

岩手が誇る伝統工芸品の一つに岩谷堂箪笥があります。
230年以上続く箪笥作りの技に培われた価値と京屋染物店のモノづくりへのこだわりと想いが結びつき、この度、新しいモノづくりがスタートすることになりました。

「岩谷堂箪笥×京屋染物店」のモノづくり

岩谷堂箪笥の歴史は古く、その始まりは江戸時代中期の天明3年(1783)まで遡り、岩谷堂の領主である岩城村将の命により、三品茂左衛門が開発したとされいます。
その血を受け継ぐ岩谷堂タンス製作所13代目の三品綾一郎さんから「一緒に新しいモノづくりをしてみませんか?」とコラボのお話を頂きました。

岩谷堂箪笥職人

三品さんは、Iwayado craftというブランドを立ち上げ、岩谷堂箪笥の新たな魅力の創出に力を入れています。
たくさんの人たちに岩谷堂箪笥の魅力を感じてほしい…。端材から何か発信できないか。」そんな想いから、岩谷堂箪笥を作る際に出る端材を利用して、様々な作品を作っています。

そんな志を持った三品さんに京屋染物店の魅力について聞いてみました。
「京屋さんには約100年続く伝統と技術がありますよね。それに加えて、職人の皆さんが若い!20〜30代の職人さんたちのチャレンジ精神とパワーを感じます。そして何よりも安心出来るのは、京屋さんにはデザイナー、染職人、縫製職人(パタンナー、和裁士含む)が揃っていること。一緒に新しいモノづくりをしたいと強く感じました。」
私たち京屋染物店も、「たくさんの人たちに染物の魅力を感じてほしい。日本の伝統を日常生活の中に取り入れてもらい、その良さを感じてもらいたい。」という想いがあります。
岩手県の伝統的工芸品を身近に感じて頂き、その魅力を多くの人に伝えようとしている三品さんの思いに共感し、ワクワクするモノづくりが始まりました

岩谷堂箪笥とは

岩谷堂箪笥の種類は、三尺、三.五尺の整理箪笥を基本としていますが現在では、洋服・衣裳・整理箪笥の三点セット、茶箪笥、書棚、小箪笥、座卓など多くの箪笥が生産されています。
珍しい箪笥としては、階段にも利用されたという上面が段々になった階段箪笥。船に積み込んで金庫の代わりを果たしたという頑丈な舟箪笥。火事などの非常時に移動しやすいように車がついている車箪笥(車付箪笥)などその種類は多く、見るだけでも興味のそそられる箪笥があります。

岩手県は我が国を代表する漆の産地で、平泉文化を華麗に装飾した漆塗装の技術が岩谷堂箪笥に生きています。箪笥の外側に漆を塗ることにより外観が美しくなることはもちろん、耐久性も非常に優れたものになります。時を経るにつれ透明感が増し、重厚感と品格のある箪笥になります。
漆塗りには、はけで塗っては布で磨く「拭き漆」と、砥粉と混ぜた漆で目止めをして、研ぎ、その後に精製漆を塗り重ねて仕上げる「木地蝋塗り」があります。この手間のかかる作業があって岩谷堂箪笥の欅の木目の美しさが映えるのです。

京屋染物店とは

岩手県南の城下町「一関(いちのせき)」で100年続く染物屋です。
世界遺産平泉の浄土思想や伝統芸能、数多くの伝統工芸品が生まれたこの地で、お客様だけのオーダー品を想いやこだわりに寄り添い、心を込めて大切に作り上げています。
京屋染物店は、単なる「染物屋」ではありません。
100年積み上げた経験値のもと、チャレンジ精神溢れ創造力豊かな職人が、お客様のこだわりを実現します。

染色技法、染料のレパートリーが多く、染める素材の種類も多岐にわたります。
染め方には大きく分けて「浸染(しんぜん)」「引染(ひきぞめ)」「手捺染(てなっせん)」の3種類がありますが、当店はその全ての染め方が出来る、大変珍しい染物屋です。

伝統とは何か

伝統とは何か、ときどき考えます。
代々の職人がより良いものを作ろうと努力を積み重ね継続する。そして、次世代に繋ぐ。「後世の人がその積み重ねに触れて沸き起こる感動」私たちはそれを「伝統」と言っているのだと思います。

その「伝統」は昔々の人にとっては、当時、非常に革新的で最先端なものだったと思います。良い物を作るための志と作業を日々繰り返して必死になってレベルアップしているうちに時間が経過し、その研鑽を次世代へ引き継ぐ。託されたものは、必死になって「それ」を磨き続け、その時代にあった形を模索する。代々歩んで来た道を、ふと振り返ったら「それ」が「伝統」と呼ばれるものになっていた。すべては、良いものを作り上げたいという想いの連鎖
私は、それが「伝統」の正しい捉え方ではないかと思います。
「昔からこうやってきたからこうあるべきだ、こういうものだ」と言われるものをそのまま継承し、後世に寸分違わず伝えることを「伝統」とするのではなく、受け継いだ私達が創意と工夫を持って新しい技術に挑戦し、新たな「伝統」を作り上げていく
京屋染物店はこれからも、常に新しい「伝統」を作り上げていくために挑戦し続けます。

縁日(エンニチ)ネットショップ LOCAL WEAR IWATE