TOCジュニアインストラクター免許皆伝!?
2017年1月31日
視野を広げるためにも日々勉強。
半纏(法被)、浴衣、手拭、鯉口シャツ、股引などの祭衣装、和服のオーダーメイド、
伝統芸能の衣装オリジナル製作、修理を通じ、日本の祭りを支える染物屋でありたい…
京屋染物店の蜂谷悠介です。
みなさんは、TOC理論(Theory Of Constraints:制約条件の理論)をご存知でしょうか?
1984年にイスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士が提唱した理論です。
ゴールドラット博士は、工場を経営する知人から生産スケジューリングの相談を受けた際、物理学の研究で培った発想や知識を駆使して、その解決法を導き出しました。
その基本原理を分かりやすく解説した小説「ザ・ゴール」は、たちまち大ベストセラーとなりました。
そのストーリー通りに実行するだけで、会社の業績が良くなるなどの成果が続出。その後、生産だけではなく、流通業や思考プロセス、プロジェクト管理、教育にまで発展させ、アメリカの産業界に大きな影響を与えている理論です。
今回は、私がなぜTOC理論に惚れ込んでしまったのかお伝えしたいと思います。
TOCは東北の風土にとても合う経営思想
まず始めに言っておきますが、TOCは宗教でも洗脳するたぐいのものでも、精神論でもないということです。あくまで、物理学の見地からこのようにした方が、脳内の思考の流れも、人との関わりも、仕事の流れも、地域の活動も好循環になりますよ。ということに気付いてしまう理論なのです。
TOC理論で私が一番好きなのは、この理論の前提である以下の3つの思想。
・人はそもそも善良である。
・物事はそもそもシンプルである。
・全ての対立は解消できる。
この3つを聞くと、「やっぱり精神論じゃん!」と思ってしまうんですが、TOCを勉強すると「確かに物理学だ。世の中成るように成っている」ということが分かっちゃいます。そして、このことがわかると仕事の滞りや、自分の中のわだかまりを、誰かのせいにしたり自分のせいにしたりすることなく、チームで解決できるようになります。
このようなプロセスの中で生まれるのが「絶対だれも見捨てない」「みんなで良くなる」という姿勢です。
東日本大震災を経て、人との繋がりを強く意識するようになった我々東北人は、助け合い皆で良くなる経営をしたいと思っているはずです。誰かを蹴落としたり、騙したり、自社が儲かればそれで良いなどという経営は絶対に考えていないし、仲間や地域、他社のことを考えられる心の余裕を持ちたいと願っているはずです。
東北には、「鼻息の荒い戦国経営」より「ゆとりのある自然経営」がフィットするように私は感じています。
そのことを体感出来るのがTOCです。
TOCとの出会い
京屋染物店がTOCと出会ったのは2年前。一関に森本繁生さんがお越しになられ、弊社専務とスタッフが数名参加したのがはじまりでした。
森本さんの親しみやすいキャラクターと驚き満載の講義内容により、TOCの面白さに魅了されてしまいました。
この出会いから弊社ではTOCを取り入れた業務改善、社員教育を行い、「京屋で働くのが大好き」な仲間と共に、お客様の笑顔に繋がるモノづくりに日々楽しく専念することができるようになりました。
「今日の京屋は昨日の京屋ではない」という言葉が定着するくらい、スタッフは日々「より良くあるための改善」に主体的に取り組んでいます。
まさに、指示ゼロで会社が回り始めています。
以下の写真は森本さん主催のTOC研修の様子です。みんなが笑顔なのが印象的。
ゴールドラット博士はTOCを次のように表現しています。
【TOCを一言で言えというなら、それは「フォーカス」だ。 しかし、大事なのは、フォーカスするとは、何をすべきか知るというだけでなく、何をすべきでないかを知るということだ。 なぜなら、すべてにフォーカスすることは、どれにもフォーカスしないことと同じだからだ。】
この言葉に、ドキッとしたことを今でも忘れません。全てやる!全てに一生懸命!その姿勢が大切なモノをぼやけさせていたのだと反省しました。
このことが、弊社の企業理念をつくるきっかけになりました。
「みんなの個性が宝物 心動かすモノづくり 助け合い喜び合える本当の仲間と力を合わせ笑顔の輪を広げよう 志高く心は一つに」
そして私たちは「日本の祭りを支える」ことに集中しよう!と決めたのです。
TOCは本当に奥が深いので、様々なことを会社に落とし込めると感じ、この度(2017年1月22日)、TOCジュニアインストラクター免許取得させて頂きました。
京屋染物店では、TOCのインストラクターが2名(私と専務)います。
この学びを、ご愛顧頂いているお客様と会社へ、そして地域へドンドン還元して行きたいと思います。