お客様情報共有・引継ぎ
フロントスタッフからお客様とのお打ち合わせ内容、製作に関するご希望内容、お客様に関する情報等を引継ぎます。
デザインは手にするひとの印象にも影響を与えるとても重要な部分です。
例えば、絆纏の大紋は、所属する會や会社を表す紋様であり、見る人の目に真っ先に飛び込んできます。
弊社のデザイナーは、高度なスキルと知識を最大限に使って、お客様の想いに寄り添い、この世にたった1つの『あなたのためのデザイン』を一からおつくりいたします。
例えば絆纏のデザインでは、祭用なのか、接客に使用される店絆纏なのか。その用途によって柄の配置や大きさが変わります。
店半纏などは、大紋をあまり大きく入れてしまうと野暮ったい印象になるため、少し控えめに若干小さくし、スッキリと品のある印象に仕上げます。逆に、踊り用絆纏や祭絆纏などは、遠目でも舞台映えするように、大紋は大きめに、柄もはっきりとしたデザインにします。
このように、お客様の用途に合わせて『着ている人が一番引き立つデザイン』になるよう、ご提案させていただきます。
日本には古来より愛される伝統柄があります。
伝統柄にはそれぞれに意味が込められており、それはどれも縁起を担ぐ吉祥の意味が込められています。
柄をいれることで、見た目を華やかに彩るだけではなく、その柄を身につけることで、願いや意味を表すものとして、時にお守りや歌舞伎などでの衣装などにも用いられてきました。
そこにはむかしの人びと粋なセンスと知恵、遊び心が込められています。
魅力ある伝統柄をこれからも継承するとともに、現代に合った新たな見せ方や創造を後継していくこともまた私たちの大切な務めだと考えます。
弊社デザイナーは必ず『お客様の商品製作への想い』や 『製作背景』などを伺ったうえでデザイン製作を進めます。
なぜならば、見た目の格好良さだけではなく、商品製作に込めるお客様の『願い』や『意味』をデザインを通して商品に宿したいと考えているからです。
お誂え品のデザインに込められた意味や由来をお客様自身が語り継ぐことができる『誇れるデザイン』を製作できるよう、精一杯取り組ませていただきます。
フロントスタッフからお客様とのお打ち合わせ内容、製作に関するご希望内容、お客様に関する情報等を引継ぎます。
デザインの絵柄の雰囲気や描画タッチ、文字の種類など。デザインの方向性を絞るための資料等をご案内、確認させていただきます。
デザインの方向性が定まりましたら、手書き等によるおおよそのデザインイメージを製作いたします。
ラフイメージを提案後、お客様からの修正等ご希望を伺い、デザイン修正と再提案を行います。
※修正内容に応じて、複数回となる場合がございます。
デザイン内容が決まりましたら、ラフデザインを元に本製作(清書作業)へ入ります。
本デザインにて再度サンプルを提案・お客様へご確認いただき、若干の修正等を行います。
デザインが確定となりましたら、確定サンプルをご案内いたします。
ご確認いただいた後、染色へ進めるための型データ製作へ移行します。
矢内様より、トートバッグと手ぬぐいハンカチを製作する反物の製作依頼をいただきました。
お客様につながりのある日本の伝統柄として、箪笥の引き手が元になった「環」という柄を基本に、七宝や松などの吉祥の意味を持つ他の伝統柄と組み合わせていくつかのデザインを検討しました。
お色味は、季節柄のご挨拶にお配りになられる商品ということで、男性・女性かかわらずにご使用いただけるお色として日本の伝統色の中よりいくつか検討しました。
最終的に、人々とのご縁やつながりの願いが込められた柄である、環と七宝を組み合わせたデザインに決定となりました。
マークのついている画像をクリックすると拡大表示できます。
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一関第一高等学校附属中学校の父兄のみなさまより、卒業記念品として手ぬぐいの製作をご依頼いただきました。
卒業生の皆さんが、中学校でのたくさんの思い出を思い出してもらえるものとして、また記念品としてだけではなく、普段使いでご使用いただいたり、お部屋に飾ることもできるようなデザインにしたいというご要望がありました。
ご依頼前に皆さんでご検討いただいたアイデアや資料を元に、手描きイメージを製作、サンプルを提案いたしました。
完成間近、お客様より今回の製作記念として「京屋」の名前も一緒に入れて欲しいと大変嬉しいご提案をいただいたので、「しおり」として、デザインの中に入れていただきました。
最終的には同じデザインで2色展開での染色となりました。
樹氷などのお菓子で知られる株式会社加藤物産様の手ぬぐい製作。
加藤物産様をPRできるデザインということで、モチーフは、樹氷と江戸時代から愛される雪華紋を軸に、伝統柄などを交えつつ検討しました。
イメージのようにロゴデータを画像から製作する場合もありますが、その場合も染めに耐えうるように調整を入れながら製作します。
デザインを進めるにあたっては、手描きで製作する場合とパソコンで製作したほうが作業が早い場合があり、お客様により早く、より良いデザインをお届けできるように最も良い方法を模索しつつ、作業を進めさせていただきます。
一関夏祭りの演目の1つ「くるくる踊り」にてご着用になられる浴衣製作をご依頼いただきました。
祭り浴衣は遠くからでも目に止まるようにお名前などが大きく入ることが多いですが、従来のイメージとは異なる落ち着いた雰囲気で、東北電力企業グループくるくる踊り実行委員会様の個性を伝えることができるデザインを目指しました。
デザインは「電線」と「灯り」を軸に検討し、和の雰囲気を出せるよう「雷紋」や角字で「電力」と入れて、市松柄を取り入れています。
いくつかのデザインをご提案後、最終的にもう少し柄の雰囲気を抑えるため、下前(浴衣の合わせが下になる身頃)に柄の生地を持ってくるデザインに修正しました。
水沢の厄年連さまより、半纏のデザインのみのご依頼をいただきました。
オーダーは、みなさまの干支である「午」と「未」の要素を入れながら、力強く躍動感のあるデザインです。
皆さまの半纏に込めた想いはとても熱く、幾度かご来店いただき、直接お話を伺いながらたくさんの資料やご意見をいただき、製作を進めました。
躍動感や力強さを表現できるよう、繰り返し墨線で描き、雲や図柄を製作の上、パソコンへ取り込んで形を整えていきました。
何度かデザイン修正を行い、最終的に上記左のデザインに決定しました。
半纏完成後、お店にご来店いただき、半纏をご着用された姿を見せていただくことができ、とても嬉しかったです。
職人半纏製作のご依頼です。
デザインは、お客様ご自身がご検討の上、描いていただいたアイデアスケッチをもとに、3種類のデザインを提案いたしました。
1つは、角字の腰柄が入り、昔ながらの職人半纏の雰囲気を感じられるデザイン。
2つめは、ご要望いただいたアイデアをもとに、力強い雰囲気の書体でシンプルに見せるデザインです。
最終的に、角字の入ったデザインに決定となりました。
株式会社musuby様より、日本の伝統工芸の1つ「染めもの」を海外に紹介していきたいというお話を頂き、営業用絆纏とロゴマークを製作させていただきました。
musuby様は「結ぶ、繋ぐ、そばで広める」をキーワードに、アジアなどを中心とした海外で日本企業を紹介し、海外での顧客獲得のサポートを行われています。
日本を海外にPRする意味合いからも、より日本の伝統の魅力を感じられるようなデザインを目指しました。
衿に入れた「結」という文字は、篆刻書体を用いて、落款のような雰囲気にしました。
ロゴマークは「縁と縁を結ぶ」という意味を込めて、榺(ちきり)という家紋を元に、日本の花である「梅」の要素を取り入れました。松・竹ともに、歳寒三友の吉祥柄として描かれる「梅」は、「忍耐」や「高貴」という意味合いが込められています。
腰柄も、「縁を繋ぐ」「結ぶ」という意味を込めて、輪繋ぎ柄や結びのデザインにて提案いたしました。
また、今回お選びいただいた「紺」はジャパンブルーで知られる藍染めの色の中で、一番濃い色と言われる、日本の伝統色の1つです。
お客様とのやりとりを経て、海外でも目に留まるような印象的なデザインをつくることができたのではないかと思います。
雑司ヶ谷の神輿会 波羅門様より、半纏製作をご依頼いただきました。
実際にご来店いただき、工場見学やお打ち合わせを行いながら、お住まいの地域やお祭りについて、半纏製作への想いなどを伺いました。
牡丹文字や腰柄を入れた場合など、数種類のラフデザインを見てみたいということでしたので、まずは希望デザインとその雰囲気に近いデザインをご提案しました。
牡丹文字は、デザインごとに入れる文字も異なるため、手書き製作となりますが、初回は雰囲気を伝えることができる程度のラフでご提案しています。
幾度かのやりとりののちに、お打ち合わせ当初から最も気になられていた牡丹文字を入れたデザインに決定。
腰柄に「木札」を追加してデザインが完成しました。
袴と幕、手甲(籠手)、脚絆という郷土芸能の衣装一式の製作です。
袴などは、お預かりした見本衣装に沿って製作を行い、袴の虎の絵柄のみ、より力強い雰囲気に修正するようご依頼いただきました。
袴の虎は、まずポーズを「阿吽」の姿に変更して、鉛筆でのラフ製作の後、墨線で描き直して、パソコンへ取り込み、形や線を整えて製作を進めました。
見本品にある竹や鶴などの柄もトレース(転写)をしてデータ化していきます。
染色された見本品はすでに一度染色されたものなので、染色のにじみによって生じる形の歪みなどを調整しながら、元の絵柄を忠実に再現いたしました。
鍾馗の姿には、魔除けや学業成就に効があるとされて、端午の節句には鍾馗を描いた旗や掛け軸などが飾られます。今回は、その鍾馗旗の製作です。
オーダーは、「鍾馗の姿」「お子さんへのメッセージとなる四字熟語や言葉」「家紋」を入れたいというご要望をいただきました。
見本品は特にありませんでしたので、葛飾北斎の鍾馗絵図などの資料を参考にまずは鉛筆で3種類の下絵を描き、いくつかの言葉とともに提案しました。
お子さんの成長や前途を願う意味合いの熟語とともに、提案させていただきました。
鍾馗像が決定したあとは、墨線で清書をおこなったものをパソコンへ取り込み、線や形を修正、データ化して製作を進めていきました。
また、添える言葉は最終的にお客様ご自身に描いていただいた「天衣無縫」をトレース(転写)して入れさせていただきました。
こちらの染料は、印毛で手染めする「引染め」という技法で染色します。上記の完成図は、その色の方向を再現した見本イメージです。