2月8日は針供養の日
2021年2月8日
2月8日は針供養の日。
毎年、京屋染物店では1年間お世話になった針に感謝を込めて、針供養という行事を行っています。
針供養とは
針供養とは、折れ、曲がり、錆びなどによって、使えなくなった縫い針を供養する行事です。人の生活の基本「衣食住」の「衣」をこしらえるのに欠かせない針を供養するためのもので、毎年12月8日の事納め、2月8日の事始めのどちらか一方の日に開催されるようです。その起源は不明ですが、9世紀頃に中国から伝わったされています。
針供養の方法
針供養は、折れ、曲がり、錆びなどによって、使えなくなった縫い針を、豆腐に刺し、それを土に返すという方法で行われます。
豆腐に針を刺すというと、驚かれる方も多いかもしれません。
なぜ豆腐に刺すのかというと、これまで硬いものを刺してきた針に最後は柔らかいものを刺してあげようという感謝の思いから、豆腐やこんにゃくなどの柔らかいものに刺すんだといわれています。
『頑張って頑張っていい商品作りに力を貸してくれた針達には最後はゆっくり休んで欲しい』
という、優しさと敬意のある行事なのです。
なぜ2月8日なのか?
かつて日本では、2月8日と12月8日は「事八日(ことようか)」とされ、それぞれ2月8日は「事始め」、12月8日は「事納め」と呼ばれる。
この両日は「つつしみをもって過ごす日」とされており、「針仕事を休むべき」とされていたことから、針供養の日となったといわれています。
事八日の両日、つまり2月8日と12月8日が針供養を行う日とされているが、関東関西などの地域で違いがあり、1年のうちでどちらか一方の日に行われることが多いようです。
有名なところですと、東京・浅草の浅草寺では、2月8日に針供養会が行われます。
道具を大切にする日本の文化
京屋染物店では、こうした道具を大切にする良い文化を、後世に伝えていきたいと、針供養を毎年行っております。
縫製部では、曲がったり、錆びたりした針も、一つ一つ記録をつけて一年間保管しています。
こうして記録をつけるのは、商品の中に針が入らないようにするためです。
折れた針がペアになるまで探してこのように記録をつけています。
記録をつけた針は、2月8日に取り出して、こうして最後に供養します。
事始めの2月8日に、針供養を通じて、改めて大切なことを感じる1日でした。