「根っこにあるもの」
2020年1月17日
デザイン担当の三浦です。
現在の京屋で使われる染色型は、
データにて製作して、シート出力、スクリーンに貼り付けたものを使用していますが、
画像の茶色い紙は、京屋に残る先代たちが使っていたであろう染色型です。
柿渋で貼り合わせた和紙に紗を張ったものを、
職人の手彫りでつくられたものです。
昔はどこの染物屋さんでも使われ、今もきっと大切に保管していると思います。
現在でも使用している染物屋さんや作家さんもいらっしゃると思います。
一枚一枚手彫りであることで、柄に生じる微妙なかたちの異なりが、
染め上がった際に、染料のにじみと合わさり、ぬくもりとなって魅力ある柄になります。
染物の味わいの一つでもあり、カッコいい! と感じます。
ちなみにこちらにある柄は、
「花唐草」
唐草には、生命力が強く、途切れることなく青々と生い茂る様子に、
繁栄と成長の意味が込められている柄です。
このように日本には伝統柄と呼ばれ、古くから愛される柄が数多くあります。
柄には、一つ一つ、むかしの人々がそのかたちに託したさまざまな意味があります。
人々の成長やご多幸への願いなど、その多くが吉祥の意味であり、
時に、言葉遊びのような、遊び心のある意味が込められたものもあったりと、
そこにはとても豊かな世界が広がっていて、見るたびに、知るたびにわくわくします。
京屋のデザインで大切にしていることの “根っこ” には、
「日本の和、伝統を感じられるものであること」
があると思います。
伝統柄はもちろんですが、新しい柄をつくるときも、
このことがどこかで意識しながら考えられています。
反物の真っ白な生地には無限の可能性が広がっていますが、
一人のお客様に対してつくる柄は、
たくさんの可能性の中から、お客様という存在を通して、
いくつかの関わりある意味や形をたどり、一つの柄へと結びついていきます。
柄の入ったお誂えものを手にする方が、
どのような人で、どのような意味をもつ伝統柄や、柄をつくるべきか。
こちらのお客様にはどのような柄がよいだろうか。
本や資料などをにらめっこしながら、
時に日常生活を過ごしながら、
悶々としつつ、向き合っています。
最後に、現在、京屋では一緒に働いてくださるメンバーを募集しています。
ぜひ伝統柄に “わくわく” を感じる方のご応募をお待ちしております。
長文となりましたが、ご一読ありがとうございます。
【求人応募者の皆さま対象、京屋染物店見学会のおしらせ】
○開催日時○
2020年1月26日(日)
9時30分〜受付
10時〜見学会開始
所要時間おおよそ1〜2時間。実際に京屋染物店メンバーと触れ合って頂きながら、業務内容、会社の雰囲気を感じ取って頂けるような機会にしたいと思います。定員約30名程。
詳しいお問い合わせ、お申し込みに関しましては
TEL 0191-23-5161
[平日] 9:00〜18:00
FAX
0191-23-3660
E-MAIL info@kyo-ya.net
京屋染物店 採用担当 専務取締役 蜂谷淳平
まで、ご希望職種を添えて、ご連絡ください。
新しい仲間となる皆さまのご応募、お待ちしております。