京屋染物店インタビュー -つくるひと篇-

2021年1月28日

こんにちは!京屋染物店染色部の山田です。

今回は、京屋染物店のスタッフ&お客様のインタビュー記事をご紹介します!

 

取材してくれたのは、東北芸術工科大学・企画構想学科の山下ゼミの皆さん。

ものづくりや伝統工芸に興味を持ち、昨年は五感市の運営にも携わってくれた彼ら。モノをつくる人、モノをつかう人の「想い」に焦点を当て、それを伝えていくことで新たな繋がりの「和」をつくりたいと、京屋で働くスタッフと、京屋のお客様を取材してくれました!

学生たちが取材してくれた内容は、現在芸工大学内で展示中。こちらのブログでもその一部を掲載させていただきます!

 

今回は「モノをつくる人」、京屋染物店で働くスタッフへのインタビューを紹介。

各部署で、どんな人がどんな想いで働いているのか。それぞれが仕事で大切にしている「宝」を取材してくれました。

 

 

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京屋染物店スタッフインタビュー

東北芸術工科大学 企画構想学科  山下ゼミ

 

専務 写真

専務取締役・蜂谷さんの宝

「仕事をしていて、今がすごく楽しい!」そう話す蜂谷さんの笑顔はキラキラと輝いていました。

専務の仕事は、会社の経営方針を決めること、つまり社長とともに京屋染物店の進む方向を決める「舵取り」を担うのが仕事です。

京屋染物店の皆さんに蜂谷さんのことを尋ねてみたところ、皆さん口を揃えて「アイデアマン」で「アツイ想いと思いやりを持った人」だと話してくださいました。

私は、初めて蜂谷さんの話を聞いた時におっしゃっていた「京屋染物店は“一つの大きな木”みたいな感じ。自分も、他のメンバーもみんな個性豊かで楽しい人ばかりだけど、根っこにある想いはみんな同じ。」という言葉がとても印象に残っています。

他の皆さんについて尋ねたときも、個人個人のことを率直に語ってくださり、メンバーのことをよく見ていることはもちろん、皆さんのことを信頼していて本当に大切に思っている事が伝わってきました。特に1ヶ月ごとに行っているらしい社員との面談や、日々提出する日報は社員自身のことをきちんと知り、コミュニケーションをするための大切な取り組みになっているのだと思います。

「五感市」の主要メンバーでもある蜂谷さんは、お客様との繋がり、社員との繋がり、そして他の職人・企業との繋がりも大切にしている、情熱に溢れた人だと感じました。

 

「面白くなるまでやり続ける」「何事も楽しむ事が大切」それは仕事だけではなく人生においてもそうだと思います。そんな風に生きる蜂谷さんは、「今後、京屋染物店を海外にも進出させていきたい」という夢を力強く、そして楽しそうに語ってくださいました。

京屋染物店の皆さんの話を聞いていると、それぞれ自分の目標ややりたい事をしっかりともっていて、それに向かって突き進んでいるように感じます。それを受け止め、背中を押し、みんなに自信を与える、そして自分自身でもたくさんのアイデアを出して、行き先を示す。それから何より、全力で楽しむ。こんなに楽しい人が中心にいる会社が楽しくないはずがない、そう感じました。

 

 

庄子 写真

フロント・庄子さんの宝

「お客様の“想い”という形のないものを形にして完成させるのが私たちの仕事」と庄子さんは話してくださいました。

フロントの業務は、そのお客様の“想い”に寄り添う「入り口」の役割を担っています。

一緒に働く仲間にとって「頼りになる」「心強い」存在である庄子さんは、新しいことにチャレンジすること、ハプニングや失敗さえもすべてを楽しんで仕事をしているそうです。

また、庄子さんは京屋染物店の自社ブランドである〈en・nichi〉の企画広報営業担当でもあります。自分のやったことの成果がすぐに見える、行動した事が目に見える形で返ってくるというのが仕事のやりがいとなっているそうです。

売り上げで目標を達成することもそのうちの一つで「数字を達成することでお客様に価値を提供した数値を知ることができる」と教えてくださいました。お客様が実際に完成した商品を着た様子を見る事が最も喜びを感じる瞬間だそうです。

そんな庄子さんが、京屋染物店を訪れるお客様の「入り口」を担っているからこそ、たくさんのお客様に喜んでいただける商品を作り上げる事ができるのだと思いました。

 

「暮らしに寄り添う商品を作ること」が目標の一つだと庄子さんは話してくださいました。

プライベートでも郷土芸能や民芸・工芸などに触れることで、大切な家族と過ごす時間が仕事にも良い影響を与えているのだそうです。我が子のことを話す庄子さんは、仕事の話をする時とはまた違った温かく素敵な表情をしていたのが印象的でした。

最後に、京屋染物店の魅力を尋ねたところ、「一緒に働く人々が好き、自分のやりたいことへのチャレンジを受け止めてくれるところが好き……なのはもちろん、自社一貫生産であることやスピード感が好き」だと話してくださいました。

「京屋は個性を大事にしてくれる。それゆえに、自分の強みや弱みを自覚する事ができる。」その言葉に私は、京屋染物店の魅力は「お客様の“想い”に寄り添うだけではなく、社員の“想い”にも寄り添った会社であること」であると感じました。

 

 

寺嶋 写真

染色・寺嶋さんの宝

京屋染物店には、情熱という言葉がよく似合う染め職人の寺嶋さんという方がいらっしゃいます。京屋染物店と染めに対する情熱で溢れている熱い心の持ち主です。そんな寺嶋さんが、こうして京屋染物店で働くに至るまでの物語をご紹介致します。

最初は色が好きで、デザインの学校で勉強をしながら色の資格をとり、特に日本の歴史の色に関心をもっていました。この経験から染め職人の道へ進むことを決めましたが、ここで意外な事実を知ります。実は、寺嶋さんのひいおじいちゃんも染め職人だったのです。

しかし、彼がそのことを知ったのは、染め職人の道へ進んでからだったことをお聞きし、大変驚きました。寺嶋さんはこの意外な事実を知った時、この職は天職だと思ったそうです。そして、血のつながりを実感したと教えてくださいました。

そんな寺嶋さんには「ものづくりをしている自分たち自身がその魅力を発信することを目指したい。」という強い想いがあります。その想いを叶えられそうな場所を探していた時に見つけたのが京屋染物店でした。他の会社への就職が決まっていたにもかかわらず、京屋染物店を選んだのです。それくらい、自分が京屋染物店で働いているイメージができたのだと話してくださいました。

一見、何かに導かれるかのように染め職人の道を歩んでいたり、京屋染物店に入社したりしているかのようにも見えますが、寺嶋さんの情熱が今の道へ自分自身で導いているのではないかとこのお話を聞いて思いました。

今日も寺嶋さんは楽しみながら、京屋染物店でこだわりをもって染めています。

 

 

まりな 写真

縫製・まりなさんの宝

京屋染物店には人一倍努力家のまりなさんという縫製職人がいます。縫製部に入ってまだ年月は浅いですが、ベテランの職人さんたちに追いつこうという熱い心を持って日々仕事に取り組んでいます。仕事終わりの空き時間には、タイムを測って練習するなど、努力を惜しまない方です。そんなまりなさんの「ベテランの方々に追いつきたいという思いと毎日の努力」は他の職人さん方にも伝わっていました。

まりなさんについて聞いてみると、「負けず嫌い」「優しく穏やかだけど芯がある」「有言実行」など、職場の方々はまりなさんの努力とその人柄をとても尊敬しているのが伝わってきました。前に出て、リーダーシップを発揮することはなくても、きっと京屋染物店を知らず知らずのうちにまとめてくれるような、包みこんでくれるような、そんな存在なのだと思いました。

また、出勤前に来て掃除をしているのを見かけた方もいらっしゃり、このエピソードからまりなさんが「感謝の気持ち」を大切にしていることも知ることができました。「何事も当たり前ではない」ということをいつも心に留めていることが、掃除という行動に現れているのだと思います。そして、感謝の気持ちは他の職人さん方にも伝わり、その後お客様へとつながっていくのです。

まりなさんは、京屋染物店の魅力について「お客様の声が届くこと」だと話していました。日頃から、他の職人さん方やお客様への感謝の気持ちを大切にしているからこそ、感じる魅力だと思います。その感謝の気持ちがぐるりと一周してきて、最後にまりなさんのもとへ「お客様からの感謝の声」として返ってきているようにも感じました。縫製に対するまりなさんの熱い思いがお客様には届いていて、それが笑顔やお手紙となって返ってきているのです。

まりなさんの周りは今日も「ありがとう」で溢れています。

 

 

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