針供養
2020年2月12日
2月8日は針供養の日です。
毎年、京屋染物店では1年間お世話になった針に感謝を込めて、針供養を行っています。
針供養とは
針供養とは、折れ、曲がり、錆びなどによって、使えなくなった縫い針を供養する行事です。
人の生活の基本「衣食住」の「衣」をこしらえるのに欠かせない針を供養するためのもので、毎年12月8日の事納め、2月8日の事始めのどちらか一方の日に開催されるようです。
その起源は不明ですが、9世紀頃に中国から伝わったされています。
道具ひとつひとつに感謝を込めて
en・nichiの商品作りには欠かせない針一本一本は、私たちの相棒です。
良い針が無いと、いくら腕があっても良い商品を作る事はできません。
しかし製作の途中で折れてしまったり、曲がってしまったりすることもしばしば。
曲がったり、錆びたりした針も、一つ一つ記録をつけて一年間保管しています。
こうして記録をつけるのも、毎日毎日使う道具にいつも感謝をし丁寧に大切に使いたいという『縫製のお姉様方』(配慮を込めて)の想いの表れです。
en・nichiの商品の中に針が入っていては大変な事になってしまうので、折れた針がペアになるまで探してこのように記録をつけています。
針供養は、こうして使えなくなった縫い針を、豆腐に刺し、それを土に返すという方法で行われます。
なぜ豆腐に刺すのかというと、これまで硬いものを刺してきた針に最後は柔らかいものを刺してあげようという思いから。
『頑張って頑張っていい商品作りに力を貸してくれた針達には最後はゆっくり休んで欲しい』という、優しさと敬意の表れです。
日本の文化のこういうところがとても大好きです。針一本一本に感謝を込めて、みんなで豆腐にさしていきます。
最後はお祈りをし、土に還してあげます。
道具一つ一つに感謝をして、『モノを大切に使う当たり前』なことを、これからもこの先も当たり前に続けて行きたいと思った一日でした。