en・nichi MITSUROU WRAPパッケージをつくる – その壱 –
2020年8月18日
今月、en・nichiの道具の一つに加わった「MITSUROU WRAP」。
人にも環境にも優しく寄り添える道具として、今回もこだわりと試行錯誤を重ねてつくり上げられています。商品には、もちろんたくさんの想いが込められていますが、その商品を包むパッケージも、同様にたくさんの人の手によってつくられています。
今回は、パッケージの製作現場の様子を二回に分けて、お伝えできればと思います。
1. 構想〜デザインまで
今回の「MITSUROU WRAP」パッケージは、
仙台のパッケージ製作会社 有限会社スマッシュさんhttps://smash-sendai.jp/へご製作を依頼しました。
京屋でもおなじみの白に赤の結び紐が印象的な「OTEFUKI化粧箱」https://smash-sendai.jp/kyoya-giftもスマッシュさんにお願いしたパッケージです。
さて、今回のパッケージについて、いろいろ相談させていただきながら、まずお選びいただいたものが、以下の三つです。
環境に配慮した資源で風合いや温かみをだせるような素材と、シンプルで美しい構造でありながらも、弊社の希望に即したかたちを考案していただきました!
その中から、en・nichiの雰囲気に合うものとして定まったのが、写真一番左の
再生紙・古紙配合の素材でやさしい風合いがある「新バフン紙」です。
次は、私が担当のデザインです。
表は文字だけでシンプルに、開けると模様が広がるイメージ。
蜂の巣の六角形を軸に、「葉」と「木々」のイメージと「人」という漢字を組み合わせて、一枚の葉や木々が集まって森になり、その隙間に「人」のかたちが見える図柄を何種類か提案。
以下のデザインに決定しました。
こちらが決定デザインです。
2. 実際にかたちになる
ここからは、スマッシュさんでの製作です。
今回、実際に印刷所へ立ち合いの機会をいただき、現場を見学させていただきました。
1 一度に何万枚も印刷できる印刷機
まず入室してびっくりしたのが、目の前に置かれた巨大な印刷機です。
この印刷機で、今回のパッケージを印刷していただきます。
紙をセッティング、投入、刷版(印刷するための版となる紙)の入れ替えなどを担当される方と、印刷物を目視しながら、色の数値等の調整を行う印刷長のお二人の職人さんが担当してくださいました。
2. 色の微調整は101枚目から。
今回のパッケージは、最初に調整いただいた色味から、少し朱色の色味を強くしていただきました。
色を調整するために、試し刷りを行います。
突然ですが、試刷のための紙は一体何枚必要となると思いますか?
私は、数枚程度かと思っていましたが、
実際は、はじめに100枚くらいの試刷りを行います。
これは、印刷回数を重ねて、インクを均一に紙に定着させる必要があるからです。そして101枚目くらいになり初めて、調整した色味を確認することができるのだそうです。
このように、広告などのたくさんの印刷物を均一な仕上がりで製作するためには、ときに何百枚もの紙が必要となります。スマッシュさんでは、このような試刷りに使用した紙や、製造の工程で生じる紙端などは保管しておき、他のパッケージ製作の際や、ワークショップなどさまざまに活用されています。
資源への配慮も行いながら無駄のないものづくりをされる姿勢に、感銘をうけました。
今回は、ここまで。
次回は、印刷作業を支える職人さんたちの細やかな技術とパッケージ製作工程の完成までをお伝えできればと思います!