京屋染物店インタビュー -つかうひと篇-
2021年1月29日
前回の京屋スタッフインタビューに引きつづき、
東北芸術工科大学 企画構想学科・山下ゼミの学生たちが取材してくれた内容をご紹介します!
今回は「モノをつかう人」、京屋染物店のお客様へのインタビュー記事です。
わたしたちが作った道具たちを、お客様はどんな想いで選んで、どんなふうに使ってくれているのだろう?お客様の想いをじっくり聞かせていただける機会は、特にものづくりの現場で働くわたしたちには、なかなかないことです。なので今回の学生たちのインタビューを読んで、私たちの作った道具がどんな暮らしをつくっているのか知ることができて、とても嬉しかったです。
こんな素敵な企画を考えてくれた学生たち、そして快くインタビューにご協力くださった渡部様ご夫婦。本当にありがとうございます。
取材では、お二人が京屋を訪れたきっかけや、京屋の商品をはじめ工芸品に対する想いをお話いただいています。
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京屋染物店お客様インタビュー
東北芸術工科大学 企画構想学科 山下ゼミ
今回、京屋染物店のお客様である渡部洋平さん・恵さんご夫婦に取材致しました。洋平さんが経営している不動産会社を、恵さんも時折サポートしながら、双子のお子さん(5歳 )と一緒に、4人仲良く暮らしております。
【京屋染物店を訪れたきっかけ】
お二人は、元々伝統工芸品が好きだったそうで、青年会議所のつながりから京屋染物店の蜂谷さんと出会い、興味をもったのがきっかけとなりました。以前からサイトなどで商品を見て気になっていたそうですが、京屋染物店に実際に訪れたのは今回が初めてだったとのことで、店内の様子もお話ししてくださいました。
■お二人が購入したもの
・洋平さん スニーカー Haïku-俳句 (フランスのCAULAINCOURT Parisとのコラボ商品)
・恵さん KAPPOGI、蜜蝋ラップ、あずま袋
【蜜蝋ラップについて】
恵さん:今日はパンを包んでみたんです。パンの保存方法ってたくさんあると思うんですけど…このラップのいいところは、食品が乾燥しないところです。今日はパンでしたが、いろいろなものを入れて愛用しています。また、普段から地球環境にやさしいものを使っていたいという思いがあります。made in JAPANのものにこだわるとかですね。元々、蜜蝋ラップはニュージーランドのオーガニックのものを使っていたのですが、まさか純日本製のものがあるとは知らなくて!京屋さんの蜜蝋ラップは環境にいいものを使用しているため、使っていて気持ちがいいです。
■MITSUROU WRAPとは?■
en・nichiの蜜蝋ラップは、自然の素材を活かした、エコな食品用ラップです。こちらは、オーガニックコットン手ぬぐい生地を染め上げ、岩手県産の蜜蝋・食品にも添加される樹脂・ゴールデンオーガニックホホバオイルを染み込ませて作られています。
【KAPPOGI について】
恵さん:料理するときに今まであまり使っていなかったエプロンですが、いいものがあったら着たいなと思っていました。そんなとき、この割烹着と出会い、購入することにしました。保温性があり、快適に着ることができて、着るたびに愛着が湧いてきます。ポッケの紐がステッチで丈夫、かつ可愛いです。着ていたら、子供がすぐに気づいていいねと言ってくれました。一緒に暮らしている子供は、新しいものにすぐ気づくので、生活の中でどんな風に私たちが伝統工芸品を使っているのかを身近に少しずつ感じとり、わかってもらえたら嬉しいです。
【日本のものについて】
made in JAPANをよく選ぶようにしていて、ワインなども日本のものにこだわっていました。これまでも南部鉄瓶や岩谷堂箪笥、仙台ガラスを使うなど、様々な伝統工芸品を使ってきました。また、益子焼きなどの焼き物も好きで、作家さん とお話ができる場を求めて、遠くの陶器市に出かけていくこともありました。
Q.どうして遠くまで出かけて会いに行くのですか?
A.やっぱり作り手さんと会話できるのが楽しくて、直接会いに行くのが好きです。デザイナーさんのこだわりを感じたときにキュンとして印象に残ります。作った方にしかわからないこだわりが必ずあるので、血の通ったやりとりができて楽しいと感じます。今はコロナの影響や子供が小さい事もありタイミングがなく伺うことができていませんが、落ち着いたらまた直接会いに行きたいと思います。
【スニーカーについて】
洋平さん:CAULAINCOURT Parisとのコラボ商品ということで、クラウドファンディングを行っており、そこからこの靴の存在を知りました。軽く、履き心地がいいです。仕事上平日は履けないので休みの日に履きます。日本文化のきめ細やかさが表れていて、着るものに合わせて履いていきたいと思います。履き慣らしたいということもあり、今は普段から履こうと思っていますが、いずれはメンテナンスをしながら使い分けをしていきたいと思っています。
【作り手の方と語り合うような機会は他にもありましたか?】
作り手 ⇄ 使い手 という関係性において、お互いが情報を伝え合う機会はこれまでありそうでなかった気がするので、これがあったら、お互いの成長にもつながるとてもいい機会になると思います。今回の取材を受けてみても、もっと職人さんと話してみたい、深く話してみたいという気持ちが膨らみました。口コミや SNSでの評判など、情報で溢れている世の中ではありますが、「人から伝わっていく良さ」をぜひ皆さんにも感じてもらいたいです。
【伝統工芸のこれから】
これからは “ 縁 ” の時代になると思います。メールやミクシーでやりとりしていた頃と比べると、たくさんの情報で溢れ、たくさんの人と出会うようになりました。そんな時代だからこそ、どれだけ新しいことにチャレンジできるか、発信していけるかがとても大切になってくると思います。また、いいものを長く使うという観点は日本の文化に共通して存在するものだと思うので、それを後世に伝えていく責任があるのではないかと私たちは思います。