追いかけ柄と絵羽柄
2017年10月20日
半纏(はんてん)や浴衣のデザインを決める際に、お客様には大きく分けて「絵羽柄」と「追いかけ柄」の2つの柄をご紹介しています。
今回は、和服の専門用語にあたる「絵羽柄」と「追いかけ柄」の2つの違いや意味について、浴衣を使ってご紹介したいと思います。
絵羽柄
絵羽柄の浴衣は、肩から袖に掛けて絵が入ったり、さらに裾周りにも絵が入るなど浴衣全体で一つの絵になるような浴衣です。
そもそも浴衣は、1反の布から衿(えり)や袵(おくみ)、袖(そで)などを切り分けて縫い合わせることで、1着の浴衣になります。
そのため、反物(たんもの)の状態では全体の柄が見えにくいです。
染めで作る浴衣は反物(たんもの)の状態に模様付けをしていきますが、
デザインとしては、絵羽柄は浴衣の形をした白のキャンパスに絵を描くようなイメージになります。
また、仕立てたときも縫い目で絵が途切れたりせず、前と後ろの絵とがつながっています。
追いかけ柄
追いかけ柄の浴衣は、反物全体にパターン化された均一の柄が入った浴衣です。
柄が順を追って入るので、追いかけ柄と言われます。
追いかけ柄の浴衣は通常、繰り返し柄が染められているので、どこで縫い合わせても構いませんが
京屋染物店では、お客様のご要望に合わせて、デザインや縫製の細かい調整を行い、柄合わせを行うこともあります。
柄による格付け
絵羽柄ではない染め物(追いかけ柄など)は、「小紋」とも呼ばれ、絵羽と小紋では、絵羽のほうが格が高いと言われます。
(小紋は半纏で言う「大紋」の反対の意味も持ちます。)
一反の布から作る染め物の中で、絵羽柄はそれぞれのパーツで柄合わせが必要で、製作するのが難しいためだと考えられます。
そのため、絵羽は晴れの日のきものとして着られることが多いようです。